年頭の挨拶 理事長

とっとりひきこもり生活支援センター
                 山本恵子

 謹んで新たな年のご挨拶を申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 とっとりひきこもり生活支援センターが開設し早くも3年が過ぎようとしています。
 ひきこもりがちな方々と関わる中で、最善とは何かを考えつつ、不安が重くのしかか
 る時代をどう切り開いていくのか、生き方を分かち合う事の人切さを学ばされています。
 ひきこもり相談の対象者の年齢も幅広く、必ずしも若者に特有の現象ではなくなって
 いると感じます。まだ個々の諸事情・状態も様々で、多様な支援のあり方をどう組んで
 いくか支援側の課題であり、それらに配慮しつつ慎重に支援関係を築いていく必要があ
 ります。
 現在、ご本人やご家族の方々との出逢いの積み重ねによって、支援の柱が徐々に立ち
 上がっていきています。
 鳥取県精神保健福祉センター、鳥取県内保健局、鳥取県、市町村行政関係、若者サポ
 ートステーション、教育センター等、その他関係機関の方々とのつながり、地域民生児
 童委員さん協力企業様とのつながりも生まれ、連携・協働の体制も少しづつ創られつつ
 あります。
 あらためて、お力添えをいただいた多くの方々に心より感謝申し上げます。
 従来、相談事業は、一対一の面接(相談室)が主でしたが、現在は 訪問(アウトリー
 チ)も加え、また、今後はご本人の まわりへの働きがけなども必要な場合もあり、
 地域住民の「人とつながり、支えあい、育みあう力」をつくっていく
 ことなのだととの思いを発信していきたいと思います。
 悩みのただ中にある相談者の不安、恐怖、孤独、絶望といった気持ちに寄り添いなが
 ら、共に歩む方向を探っていけたらと思います。
 最後に、連携・協働というのは、行政と民間が同じテーブルについて会議を持つことで
 はなく、一人ひとりの方の今と、その行方の最善の支援を皆で考えていくことなのだと
 実感しています。